矯正歯科Orthodontic dentistry
大人になってから矯正治療を始める方が増えています。幼い頃から抱えていた歯並びや口元の悩みを解消するために、思い切って治療を受けられるのです。こうした動きは、20~30代を中心に広がっています。さらに、噛み合わせが気になる40代〜50代の患者さまも多くみられます。
矯正治療は大人になってからでも、決して遅くはありません。治療に関心を持ち、歯並びを治したいと思ったときがベストな開始時期です。
矯正治療は歯並びや口元に美しさをもらたしてくれます。
矯正治療とは(矯正治療の流れ)
矯正治療とは、悪い歯並びや噛み合わせをきちんと噛み合うようにして、きれいな歯並びにする治療です。悪い歯並びや噛み合わせを不正咬合と言います。不正咬合と言っても原因は様々で、歯の位置の不正、歯列弓の形態の不正、上下顎の歯列弓の位置関係の不正、上下顎骨の位置関係の不正などが挙げられます。
矯正治療を行う事で歯並びが良くなり、審美的には美しい口元や自然なスマイルラインなどを得ることができます。また、デコボコが減るため汚れが付きにくくなるとともに歯磨きがしやすくなります。
メンテナンスを考慮した成人矯正
大人になると虫歯よりも歯周病が増えてきます。歯並びがよくて唾液の循環がよいと口の中の清掃性がよくなります。歯並びが悪いと唾液が停滞しますので、歯周疾患のリスクが高まります。
大人の矯正による歯並び改善は、見た目はもちろん、歯周病の最大の予防策となります。将来的になんらかの理由でクラウンやブリッジをすることになる場合でも、歯の位置が整っていれば治療時のダメージも最小限で済みます。
子どもに歯周病がないのは、代謝がよいためです。大人の場合、代謝や免疫力が子どもに比べ下がりますし、歯ブラシの仕方も子どもの頃と変わらない場合がほとんどですので、歯に汚れがあるのに、矯正力をかけて歯を動かすことは、歯槽骨(歯を支える骨)が下がるリスクをともないます。
ですので、子どもの矯正と違って、成人矯正の場合は、歯周病にならないようなメンテナンスを考慮した治療が大切となります。
理想の歯並とは
それでは、理想的な美しい歯並びとはどんな状態なのでしょうか?
一般的に美しいとされている歯並びの条件が下記になります。
・歯列がデコボコと乱れていない
・上下の歯並びの真ん中が合っていて、左右対称な状態
・上下の歯列が平行で滑らかにカーブしている
・上の前歯が下の前歯より少し被さっている
・横から見て鼻と顎を結んだ線に唇が接している
ただし「美しい口元」というのは、これらの条件を満たして歯並びが整っていればいいというものではありません。本当に美しい歯であるためには「健康的である」ということが大切です。虫歯や歯周病でダメージを受けている歯は、とてもキレイとは言えませんよね。
大人の矯正のよくあるご質問
歯を抜かずに治療できますか?
できることもありますが、成人の場合は抜くことが多くなります。成長期が終わると顎を拡大するのが難しくなり、内側に歯がおさまりきらない可能性が高くなります。無理に歯を抜かずに矯正歯をしてしまうと、歯が外側に倒れる形で並んでしまうため、かみ合わせが悪くなったり、口元自体が前に出てくる可能性もあります。成人でも歯を抜かなくていいケースの多くは、もともとの歯の本数が少なかったり、なかったりする場合です。
成人で矯正をされている年齢は何歳の方がいますか?
当院では、20代30代以上の男性女性の方、上は60~70代の患者さままで幅広く治療をお受けになられています。歯は何歳でも動きます。
矯正歯科治療の流れ
STEP1: カウンセリング
初まずは、お口の状況、今までの治療の感想、これからの治療に関する悩みをお聞かせください。
不安を抱えながらの治療ではなく、お話によってリラックスしてから安心で安全な医療を提供することを大切にしています。初診時は時間に余裕をもってお越しください。
時間の目安 30~60分程度
STEP2:精密検査、診断
歯型、お顔やお口の中の写真、レントゲン写真、CTなどをとり、診断・治療計画をたてるために必要な検査を実施します。
時間の目安 60分程度
STEP3:矯正治療計画の説明
検査結果をもとに、患者様にあった矯正治療計画や治療費などについて詳しい説明をします。治療方法や装置のメリットやデメリット、治療期間や費用の違いなどについて、よくご自身で確認して、納得した治療方法を選択しましょう。
時間の目安 30分~60分程度
STEP4:矯正治療開始
矯正治療内容に納得し契約が終了したら、矯正治療の開始です。
● 歯磨き、プロフェッショナルクリーニング
● 矯正装置装着
● 定期通院
装置を装着するタイミングなど、治療の進め方は口腔内の状態によって若干異なります。通院頻度の目安 4~6週間に1回だいたい月1回ペースですが、治療方法や段階により変わります。
STEP5:保定装置装着、メンテナンス
矯正装置が取れた後は、何もしないと少しずつ動いて後戻りしてしまいます。動かした歯を支える骨や歯周組織が安定するまでは、保定装置(リテーナー)を装着します。
通院頻度の目安 2~6ヶ月に1回程度。徐々に間隔をあけます。
噛み合わせを改善で、全身機能が向上。
上下の歯がキッチリ噛み合わないと食べ物をよく噛めないため、胃や腸に大きな負担を与えます。また、歯列の乱れ(不正咬合)は、発音や顎やお顔の成長に悪い影響を及ぼすだけでなく顎の関節や筋肉にも影響を与えるとともに、肩こりや頭痛などの原因になったり、姿勢が悪くなることもあります。
矯正治療は歯並びを整えて噛む機能を回復することで、虫歯や歯肉炎・歯周病を防ぎ、歯の寿命を延ばします。近年、しっかりと噛めることで脳への血流が良くなり記憶力が向上することや、瞬発力が高まることもわかってきました。
矯正治療の医療費控除について
医療費控除とは、自分自身や家族のために、その年の1月1日から12月31日に支払った医療費がある場合に、一定の金額の所得控除を受けることができる制度です。
一年間で10万円を超える医療費を支払った人でしたら、確定申告をすれば税金が戻ってきます。 矯正でも「噛み合せの向上」が主な目的となっておりますので、治療目的と承認される場合があります。詳しくは、最寄りの税務署にお問い合わせください。